形成外科・皮膚科|疾患について
切り傷・擦り傷
切り傷・擦り傷は受傷した部位、状況によって治療方針は大きく異なります。屋外で砂だらけの傷がついてしまったのか?台所で包丁で切ってしまったのか?または、犬に咬まれてしまった傷なのか?後々傷跡になるかどうかは治癒(浸出液が出なくなる)するまでのスピードにかかっているといっても過言ではありません。スピードを遅くする大きな要因は傷が膿んでしまうかどうかが大きく影響します。
火傷
火傷には大きく分けて高温熱傷と低温熱傷があります。高温熱傷は熱湯がかかってしまったり、ストーブに触れてしまったりと誰もが一度は経験したことのあるもので、最初は赤いだけでも受傷してから1日経過してから水膨れができてくるものもあります。水膨れをなるべくそのままにして有効に利用するのが早く治すポイントとなりますが、やりやすい処置の方法をお伝えできればと思います。低温熱傷というものは低温(40°~60°)で長い時間触れていたときに受傷してしまいます。節電の考え方が広まってからは湯たんぽによる低温熱傷が増えました。意外かもしれませんが、高温熱傷よりも重症化しやすいことがあります。

粉瘤(アテローム)
皮膚にできる出来物としては非常に多いもので、皮膚の表面直下に硬いしこりとして触れます。真ん中に黒い凹みが見えることも多いのが特徴です。本来は毛穴から排出されるはずの老廃物(垢と皮脂)が内部に溜まりこんでしまった状態のものです。痛くもかゆくもないのですが、ゆっくりと年月をかけて大きくなってきます。圧迫すると、おからのような内容物が出てくることもあり、時には赤くはれて膿みを持つこともあります。赤く腫れてしまうと中の膿を一旦出さなければな らなくなります。赤くなる前に受診して袋ごと切除してしまうのがスムーズな治療です。
脂肪腫
皮膚の下に弾力のあるコブとして触れるもので、基本的には自然に小さくなることはありません。最近の研究で本当は生下時よりあるものが何十年もかけてゆっくり大きくなってきて気がつくものであるといわれております。当院では皮膚エコーを積極的に施行して、腫瘤の性状、周囲の組織との関係を確認してから手術を計画します。小さいうちに切除することが出来れば外来での手術で問題ありませんが、あまりに大きくなってきてしまうと入院が必要になることもあります。
ガングリオン
手首の周囲や指の回りなど、関節や腱組織がある部分によくできます。悪いものではありませんが、たまたま神経のそばにできて大きくなったりすると神経を圧迫してしまいます。治療方法としては、なるべく痛くないように針を刺して内容物を抜きます。そのまま再発しないようであれば一番なのですが、再発してくることのほうが多いです。人によって再発する頻度がまちまちであり、数か月に一度くらいであれば定期的に受診して付き合ってゆくというのも一つの考え方ですが、摘出を選択する患者様も多いです。